田舎の道の駅で働いていたある人のお話です

私はかつて、道の駅という施設で働いていました。
道の駅とは、地域の特産品や観光情報を提供するとともに、ドライバーの休憩や交流の場としても機能する施設です。道の駅は、半分は行政、半分は民間の経営形態である第三セクターというもので運営されていることが多いのですが、私が働いていた道の駅もその一つでした。
私の仕事仲間だった店長は、地域に貢献したいという希望を持って、道の駅で頑張っていました。地域の農家さんとの連携を深めたり、デパートや他の道の駅との取引を増やしたり、積極的に仕事に取り組んでいました。
店長のような前向きな人たちのおかげで、道の駅は成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
しかし、店長が辞めることになりました。
彼が辞めることになった理由は、道の駅という職場の環境にありました。
道の駅の経営のトップは市長や町長などの首長であったり、役所からの天下り人事であったりします。その一方で、現場で実際に働いている「店長」という役職の人たちは、30代から40代の若い世代です。
上司は、首長や天下りの人たちで、高い給料をもらいながら、部下のことを全く考えてくれませんでした。
売り上げが伸びても、それは自分の功績だと言い張ります。道の駅の売り上げが過去最高を更新したことを、自分の手柄のようにアピールし、現場で一生懸命に働いている人たちに対しては、感謝の言葉もなく、報酬も上げませんでした。
また、行政が絡んでいるせいで、需要がないのに無理やり売らされる商品があったり、必要のない仕事が押し付けられたりしました。
これでは何のために頑張っているのか、全く意味がわかりませんでした。
店長は、辞める以外に選択肢がありませんでした。どれだけ時間が経っても、上司が変わる気配はありませんでした。むしろ、自分の立場が悪くなるばかりでした。

私も道の駅で働いていたので、その苦しみはよくわかります。行政が絡んでいるおかげで、売れもしない商品を売らされたり、しなくてよい仕事を押し付けられたり、従業員の給料を上げようにも「理事会」とかいう訳の分からない会議に議題を提出し、市役所の職員よりも給料が上がろうものなら即却下です。
これでは何のために仕事をしているのかさっぱりわかりません。
そうやって、有望な人材は、どんどんと現場を去り、首長や役所から恩恵を受けている老害だけが残っていく訳です。
せめて、その老害と言われる天下りの人が、自分の部下を育て、引退する覚悟があるならばまだ救われるのですが。
とはいっても、役所を退職した人が、市長などの配慮により次々に天下ってきます。
これでは、田舎は発展しません。
行政と絡むとあまりろくなことはありませんね。
田舎では、こんなことが日常茶飯事です。
結局、市長などと仲良くしておくことが大事なのです。
市長と同級生とか、地元が一緒とか。
若者やよそ者や力のないものは、辛い目に合うだけです。
道の駅を離れる店長もそんな気持ちなんだろうなと思い、私の思いを伝えてみました。
